ナカジマ テツヤ中嶋 哲也准教授Tetsuya NAKAJIMA
■研究者基本情報
経歴
- 2022年 - 現在, 立教大学, 非常勤講師
- 2015年05月 - 現在, 茨城大学, 教育学部, 准教授
- 2020年04月, 早稲田大学スポーツ科学学術院 非常勤講師
- 2019年04月, 東洋大学ライフデザイン学部 非常勤講師
- 2016年04月, 専修大学 兼業講師
- 2013年04月 - 2015年04月, 鹿児島大学教育学部 講師
- 2014年04月 - 2015年03月, 鹿児島県立短期大学 非常勤講師
- 2011年04月 - 2013年03月, 早稲田大学スポーツ科学学術院 助手
- 2008年04月 - 2013年03月, 埼玉大学 非常勤講師
- 2006年04月 - 2011年03月, 横浜YMCAスポーツ専門学校 非常勤講師
研究者からのメッセージ
(研究者からのメッセージ)
武道の研究をしています。研究方法としては歴史学と人類学（フィールドワーク）をメインにしています。
私の問題関心は以下のとおりです。
➀武道が軍事から芸道として相対的に自律するポイントはどこにあったのか？
武道は教育や趣味として行われますが、日本中世の合戦にルーツを持つともいわれます。この合戦（軍事）の意義は護身術などの形で今日まで引きづっていますが、今は心身練磨を掲げて実践されるケースの方が主流だと思われます。この軍事から修養への移り変わりを精神性ではなく技術的な側面に注目して跡付けるのが目下のテーマです。
➁古武道の復元
➀と関連して手掛けているのが、古流の技の復元です。主に新陰流と一刀流の復元を国際武道大学の研究グループに参加しながら、復元そのものというよりは復元方法の研究を主に手掛けてきました。武道は身体実践を中核しているにもかかわらず、その身体実践（主に形）をどう研究すべきかについては学会レベルでも議論がなかなか進みません。この点をどうにか突破できないか、日々模索しています。
➂武道の近代化・グローバル化
明治期以降の近代化のなかで、古武道もまたその洗礼を浴びる事になりますが、どのように近代に適応しつつ存続したのかについて、柔道と古武道の歴史的実態を研究しています。また、柔術・柔道は早くから海外に展開し、今日、ブラジリアン柔術やサンボの形成に関与します。武道から現代格闘技への経路についてもブラジルの移民社会を事例に研究しています。
➃古武道の現代的意義～シリアスレジャー～
柔道や剣道は競技化や学校・警察と結びつくことで近代社会に適応しましたが、多くの古流は伝承が危ぶまれる状態にあります。そうしたなかでも生き残ってきた古武道は何らかの現代的意義が認められるものと考えています。この点をシリアスレジャーの観点から考察しています。
■研究活動情報
論文
- The Controversy Over the Sportification of Japanese Judo in the Interwar Period
Tetsuya Nakajima, 筆頭著者
The Arts and Sciences of Judo, 2024年12月, ［査読有り］, ［招待有り］ - 起倒流における名辞「柔道」の出現とその背景：,直信流との関係に着目して
The Term “Judo” in Kito-ryu: Historical Background and Relationship with Jikishin-ryu, 講道館
講道館柔道科学研究会紀要, 2021年03月 - 〔主要な業績〕フィールドワークによる源了圓の「型」概念の相対化：,新陰流の稽古法に着目して
中嶋哲也, 日本体育学会
体育学研究, 2020年02月10日, ［査読有り］ - 格闘技と社会的包摂：東京都におけるシュートボクシング道場の事例から
菱田慶文・中嶋哲也, ラスト(シニア)オーサー, 日本スポーツ人類学会
スポーツ人類學研究, 2019年12月, ［査読有り］ - The establishment and development of the concept of Budo in modern Japan: Epistemological premises of the study of Budo in the contemporary period
Tetsuya Nakajima, World Martial Arts Masterships Committee
The 4th WMC International Academic Conference: Illuminating Ethical Values of Martial Arts, 2018年11月15日, ［招待有り］ - JAPANESE MARTIAL ARTS AND THE SUBLIMATION OF VIOLENCE: AN ETHNOGRAPHIC STUDY OF SHINKAGE-RYU
Tetsuya Nakajima
Martial Arts Studies, 2018年07月, ［査読有り］ - 幕末における柔術試合の台頭とその実態：,天神真楊流・磯道場『他流試合性名控』の分析
中嶋哲也, 講道館
講道館科学研究会紀要, 2017年03月 - 日中戦争以降における武道の戦技化の起源とその背景：,武道振興委員会の審議過程の分析
中嶋哲也
武道学研究, 2016年12月, ［査読有り］ - 四帝大大会成立過程における「柔道のスポーツ化」論の出現とその歴史的意味：1918―1928年における学生柔道と講道館の関係に着目して
中嶋 哲也, 一般社団法人 日本体育学会
体育学研究, 2014年12月, ［査読有り］ - 術から文化へ : 元米国大統領グラントの演武鑑賞と柔術
中嶋 哲也, 本研究は、明治期に柔術が文化として再発見されていく過程について考察するものである。研究対象として、明治12（1879）年8月5日と25日に行われた2つの演武に注目した。この2つの演武には元米国大統領であったユリシーズ・グラントが鑑賞しにきていたためである。本論では、グラントが武術のどこに興味関心を抱いたのかを検討した。結果として、次の3つの知見が得られた。一つ目に、グラントは武術に関して伝統的側面に興味を持つような発言をしなかったことである。二つ目に、8月25日の演武は天覧であったが、当演武の直後、新聞等で武術の価値を見直すことが主張された。天覧演武は武術総体が伝統・文化として再発見されるきっかけの一つになったといえよう。三つ目に、8月5日の演武においてグラントはあらゆる武術のうち、特に柔術に興味を示していた。このことは、柔術が西洋の人々の目に興味深く映る、とその場に居合わせた日本人に印象付けたものと考えられる。, 鹿児島大学
鹿児島大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学編, 2014年 - 直心流柔術における『不動智神妙録』思想の受容過程
中嶋哲也
スポーツ科学研究, 2012年08月22日, ［査読有り］ - Judo and the Process of Nation-building in Japan: Kanō Jigorō and the formation of Kōdōkan judo
Tetsuya Nakajima; Lee Thompson, Although the founding of judo by Kanō Jigorō has been well studied, perhaps less is known about the sociohistorical background behind its formation. This paper considers how the system of judo was constructed in the context of the formation of the nation state in Japan. Each aspect of Kanō's judo was developed in response to specific conditions–in particular, the Ministry of Education's aversion to the martial arts. Kanō developed what he referred to as the ‘values’ of judo in the context of the ministry's adoption of gymnastic exercises for the physical education curriculum. Moreover, Kanō believed that continuity with older schools of jujutsu was important, although in order to legitimize judo's patriotic credentials, he rejected the prevailing theory of jujutsu's Chinese origins. At the same time, he also excluded ‘frivolous’ techniques and attempted to restore jujutsu to its ‘original’ noble essence as a practical form of combat. The diverse and flexible history of jujutsu came to be forgotten. © 2012 Taylor &
Francis Group, LLC., Taylor & Francis
Asia Pacific Journal of Sport and Social Science, 2012年, ［査読有り］
MISC
- Book Review：The Historical Sociology of Japanese Martial Arts by Raúl Sánchez García
Tetsuya Nakajima
2021年07月19日, ［査読有り］
筆頭著者 - 石坂友司著『現代オリンピックの発展と危機1940-2020 : 二度目の東京が目指すもの』
人間福祉学研究, 2018年12月, ［招待有り］ - 〔主要な業績〕中国第9回少数民族伝統体育運動会調査報告
鄭稼棋; 庄形篤; 中嶋哲也; 寒川恒夫
スポーツ人類學研究, 2014年12月
ラスト(シニア)オーサー - 〔主要な業績〕マレーシアにおける民族スポーツの調査報告―早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ人類学研究室―
瀬戸邦弘; 鈴木みづほ; 菱田慶文; 橋本彩; 山田季生; 中嶋哲也; 小木曽航平; 寒川恒夫
スポーツ人類學研究, 2008年07月
ラスト(シニア)オーサー
書籍等出版物
- 〔主要な業績〕『満洲スポーツ史』
高嶋航,佐々木浩雄,金誠,新雅史,藤田大誠,束原文郎,菅野敦志,浜田幸絵, 共著
青弓社, 2024年01月23日
9784787221018 - 〔主要な業績〕フランス柔道とは何か 教育・学校・スポーツ
星野映、中嶋哲也、磯直樹、小林純子、有山篤利, 共編者(共編著者)
青弓社, 2022年06月23日
9784787235060 - 〔主要な業績〕Challenging Olympic Narratives,Japan, the Olympic Games and Tokyo 2020/21
中嶋哲也, 共著
Ergon, 2021年10月01日
9783956507618 - 帝国日本と越境するアスリート
中嶋哲也, 共著
塙書房, 2020年12月25日
9784827313161 - 日本武道の武術性とは何か：サピエンスと生き抜く力
志々田 文明・大保木 輝雄(編著), 共著
青弓社, 2020年06月29日
9784787234728 - スポーツ人類学の世界～早稲田の窓から～
寒川恒夫研究室編, 共著
虹色社, 2019年07月20日
9784909045270 - 心と体の健康・スポーツ
茨城大学 心と体の健康研究会, 共著
大修館書店, 2019年04月18日 - 近代日本の武道論：〈武道のスポーツ化〉問題の誕生
中嶋哲也, 単著
国書刊行会, 2017年07月24日 - よくわかるスポーツ人類学
寒川恒夫編, 共著
ミネルヴァ書房, 2017年03月31日 - 21世紀スポーツ大事典
共著
大修館書店, 2015年01月20日 - 日本人のからだ・再考
分担執筆
明和出版, 2012年05月20日
9784901933261
講演・口頭発表等
- 日本武道にみる在来知の普遍性：新陰流と柔道を事例にして
中嶋哲也
社研セミナー, 2025年02月18日, 東京大学社会科学研究所, ［招待有り］ - 〔主要な業績〕“なに”がコーチングするのか？,―新陰流における「奇妙」の解明に向けた復元稽古を事例に―
中嶋哲也
日本体育・スポーツ哲学会第45回大会シンポジウム, 2023年08月19日, 日本体育・スポーツ哲学会, ［招待有り］ - 〔主要な業績〕新陰流の勢法・轉にみる崇高なものとその問題点
中嶋哲也
日本スポーツ人類学会第24回大会, 2023年03月, 日本スポーツ人類学会 - 〔主要な業績〕細川家文書『新陰流兵法書』の江戸柳生における位置付け:『五巻書』との比較を通じて
中嶋哲也
日本武道学会第54回大会, 2021年09月, 日本武道学会 - 〔主要な業績〕The establishment and development of the concept of Budo in modern Japan: Epistemological premises of the study of Budo in the contemporary period
中嶋哲也
The 3th WMC International Academic Conference: Illuminating Ethical Values of Martial Arts., 2018年11月, World Martial Arts Masterships Committee, ［招待有り］ - 〔主要な業績〕源了圓の「型」論再考：新陰流の稽古法を事例にして
日本スポーツ人類学会第19回大会, 2018年03月, 日本スポーツ人類学会 - 〔主要な業績〕An Ethnographic study on Shinkage-ryu
TETSUYA NAKAJIMA
New Research on Japanese Martial Arts – From Inside Japan and Out,A Martial Arts Studies Research Network Event, 2017年05月, The Martial Arts Studies Research Network, ［招待有り］ - 〔主要な業績〕幕末における柔術試合の実態：天神真楊流・磯道場『他流試合性名控』の分析
中嶋哲也
スポーツ史学会30周年記念大会, 2016年12月, スポーツ史学会 - 〔主要な業績〕新陰流伝書『陰流書』の尾張柳生における歴史的位置づけ：江戸柳生系統の伝書『五巻書』との比較
中嶋哲也・立木幸敏
日本武道学会第49回大会, 2016年09月, 日本武道学会 - 〔主要な業績〕「伝書の読み方と所作の関係性：千葉県のY道場における稽古「復刻」に着目して」
中嶋哲也
日本スポーツ人類学会第17回大会, 2016年03月, 日本スポーツ人類学会 - 〔主要な業績〕戦時下における武道論の諸相：昭和14（1939）年の武道振興委員会に着目して
中嶋哲也
日本武道学会第48回大会, 2015年09月, 日本武道学会 - 〔主要な業績〕ULYSSES.GRANT AND THE DISPLAY OF MARTIAL ARTS IN MEIJI ERA: JUJUTSU, WESTERN GAZE, AND “JAPANESE-NESS.
TETSUYA NAKAJIMA
The Third Conference of the Asian Sport Anthropology Association., 2014年10月, Asian Society of Sport Anthropology - 〔主要な業績〕Ulysses S. Grant and the display of martial arts in the Meiji era: From “jutsu (technique)” to “culture”
TETSUYA NAKAJIMA
The 2013 International Budo Conference by the Japanese Academy of Budo, 2013年09月, 日本武道学会 - 〔主要な業績〕人類学的実践理論における学習論の問題論的転回―武道の参与観察を事例に―
中嶋哲也
日本体育・スポーツ哲学会第35回大会シンポジウム, 2013年08月, 日本体育・スポーツ哲学会, ［招待有り］
所属学協会
共同研究・競争的資金等の研究課題
