ヨネクラ ユウヘイ米倉 悠平助教Yuhei Yonekura
■研究者基本情報
外部リンク
研究者からのメッセージ
(研究者からのメッセージ)
倫理学を研究しています。博士課程ではとくにメタ倫理学と呼ばれる分野を研究していました。メタ倫理学は、倫理学あるいは道徳哲学が用いる方法や概念を探究する倫理学の一分野です。
博士論文において取り組んだのは、道徳的命題はどれも真でないと考える道徳的錯誤論(moral error theory)と呼ばれる立場・議論を反駁するという試みです。具体的には、まず道徳的錯誤論を支持する論証を最大限強力な形で構成したうえで、続いてそれに対する応答・反駁のために、道徳的命題の真理を〈私たちが実践理性の働きのみによって実行する何らかの手続きの結果としてその命題が得られる〉ということに根拠づけられるものとして理解しようとするカント的な道徳的構築主義と呼ばれる理論に基づく議論を提示する、というものです。(この論文の全文は現在はインターネット上で公開されていないのですが、もし読みたいという方がいればお気軽にご連絡ください。)
博士論文以降の最近の関心としては、主として社会契約論の伝統に着目し、それを(1)カント的な道徳的構築主義のさらなる理論的展開に活かすこと、(2)刑罰とくに死刑制度の道徳的許容可能性ならびに正当性という問題をめぐる応用倫理学的・政治哲学的考察に活かすことを試みています。道徳的錯誤論についても研究を継続している他、仮言命法、超義務、反省的均衡、健康といった倫理学に関わる上記以外のトピックについても研究しています。
■研究活動情報
論文
講演・口頭発表等
- 反省的均衡に基づく道徳的探究はいかにして成功裡に進展するか:動物倫理学をケーススタディとして
米倉悠平; 竹下昌志
第76回日本倫理学会大会(東北大学川内キャンパス), 2025年10月12日, 日本倫理学会
20251010, 20251012 - 看護実践における健康概念の適切な理解に向けて
米倉悠平; 石坂晴奈
2025年度哲学若手研究者フォーラム研究集会(国立オリンピック記念青少年総合センター), 2025年10月04日, 哲学若手研究者フォーラム
20251004, 20251005 - 望ましいのになぜ義務でないか:超義務のパラドクスに対する特権説を改良する
浦野敬介; 石原諒太; 米倉悠平
応用哲学会第17回年次研究大会(大阪成蹊大学相川キャンパス), 2025年09月06日, 応用哲学会
20250906, 20250907 - 文脈と塗り潰し:真理の多元論を擁護する
米倉悠平
日本科学哲学会第57回大会(関西大学千里山キャンパス), 2024年12月01日
20241130, 20241201 - 道徳的構築主義に基づいて道徳的錯誤論に応答する
米倉悠平
応用哲学会第16回年次研究大会(オンライン), 2024年06月01日
20240601, 20240602 - 道徳的義務と超越論的論証
日本倫理学会第72回大会(オンライン), 2021年10月 - J・S・ミルによる功利性原理の「証明」はミルの功利主義理論のどのような目的に貢献しているか
米倉悠平
2018年度哲学若⼿研究者フォーラム研究集会(国立オリンピック記念青少年総合センター), 2018年07月